セミリタイアのためのねんきんネット活用法

ねんきんネットで加入記録と見込額の試算

セミリタイアをめざされる方にとって、将来の年金額を知っておくことはとても重要ですが、ねんきん定期便で、その年金額や加入記録を把握されている方も多いと思います。ねんきんネットに登録すると、より詳しく何時でも情報にアクセスできるのでおすすめです。

登録で、準備するのは

です。

登録後は、ユーザID、パスワード、秘密の質問を入力してログインします。ここでは、特に関心の高い「年金記録」と「年金見込額試算」について見てみましょう。

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ねんきんネット

年金の加入記録にアクセスする場合は、上記の「年金記録の一覧表示

将来、年金をいくらもらえるか試算する場合は、上記の「年金見込額試算

をクリックします。

年金記録の一覧表示」では、加入記録をチェックし、間違いがないか確認しておきましょう。下のように「年金記録照会」で詳しく調べることができます。

 

 

年金見込額試算」では、下のように、「詳細な条件で試算」をしてみましょう。

ここでは、試算の設定条件として、「年金の全額免除」と「年金の繰下げ受給」を選択することとします。こうすることで、年金の納入額を減らし、支給額を増やすことができます。

免除が承認されると、免除の期間は、受給資格期間に算入され、全額免除の場合は、年金額の半分が支給されるというメリットがあります。

また、受給開始を繰下げると、支給額は1ヶ月当たり0.7%増額になるため、最大の5歳繰り下げて70歳とします(最大42%増額)。

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年金の試算

下のように、「入力情報」、「受給開始年齢情報」の部分を設定します。 

 

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年金の試算(詳細な条件)

 セミリタイアなので、フルタイムではないと思います。

入力情報」では、下のように「今後の職業の入力」で、「会社員(非常勤、パートタイム)」を選択します。

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今後の職業の入力

 「加入制度に関する条件入力」では、「全額免除」、「およそのパート収入」、「就業期間(例)」、「60歳以降、国民年金に加入しない(例)」を選択します。

全額免除にするのは、収入が少ないからです。ちなみに、全額免除の承認基準は、前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であることです。


(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円

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加入制度に関する条件入力

次に、「受給開始年齢情報」の設定では、「受給開始を遅らせる」、「70歳から受給を開始する」を選択します。

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受給開始年齢の設定

 この後、「試算」ボタンを押すと、年金見込額が表示されます。表示された年金額と現状の生活費を比べてみてください。年金額>生活費となれば、安心材料になるのではないでしょうか。 

 

将来の年金は大丈夫?

日本の年金制度は、賦課方式を基本とし、年金積立金も活用しています。賦課方式とは、現役世代が納めた保険料を、そのときの年金受給者へ支払う仕組みです。少子高齢化により、将来の年金制度は、保険料の引き上げや、給付水準の低下の不安があります。

そこで積立金を活用することでこれらを補おうとしているわけですが、その積立金の現状と今後どのように推移していくのかの資料が、厚生労働省で公開されています。

下のグラフは厚生年金と国民年金の積立度合の見通しです。積立度合とは、「前年度末の積立金が、当年度の基礎年金拠出金や給付費等の支出の何年分に相当するかを示しているもの。」です。

ケースE,G,Hは、経済前提を示していて、ケースEは経済成長率0.4%、ケースGは経済成長率▲0.2%、ケースHが最も悪いケース(経済成長率▲0.4%)です。経済成長しないケースG,Hは積立度合が1を下回ります。

  

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公的年金財政の健全性を検証するため、5年毎に財政検証が行われ、そのつど、年金積立金を100年かけて使っていく試算をしています。つまり、100年後に積立金が1年分残っているように(積立度合が1になるように)、試算を繰り返しています。

そのため、所得代替率(現役世代の賃金収入に対する年金額の水準)を下げることで100年持ちこたえようとするわけですが、一方で給付水準を維持するため、政府は所得代替率50%以上を目安に掲げています。仮に50%を下回ると試算された場合は、法律により年金財政の枠組みを見直すことになります。

この先、経済情勢はどうなるか予想できませんが、5年毎の財政検証の結果は、特に注目していく必要があります。2019年は財政検証が行われる見通しです。

 

まとめ

  • ねんきんネットを活用することで加入記録や将来の支給額の試算を簡単に調べることができる。
  • 免除制度や繰下げ受給を利用すれば、納入額を減らし、支給額を増やすメリットがある。
  • 年金制度は、積立金の推移が経済情勢に大きく影響される。
  • 年金の給付水準は、現状、所得代替率50%以上に維持されている。
  • 5年毎の財政検証で、年金の健全性が検証されているので、注目しておく必要あり。