セミリタイアのための健康保険の選び方

退職後の健康保険の選び方

  • セミリタイアしようとする時、退職後の健康保険はどう選べばいいのでしょうか?
  • どのタイミングで切り替えればいいのでしょうか?
  • セミリタイアする人にメリットのある制度はないでしょうか?

これらについて、コンパクトにまとめてみました。ご参考になれば幸いです。

 任意継続健康保険 or 国民健康保険

会社で加入していた健康保険を継続する任意継続健康保険か、国民健康保険のどちらかの選択になると思いますが、どちらも医療機関を受診すれば、3割負担なので、保険料が安い方を選びたいものです。

どちらの健康保険も、退職時、面倒でも加入している健康保険組合や、市区町村の窓口に問い合わせて、正確な数値で比較することをおすすめします。

なお、任意継続健康保険は、退職日の翌日から20日以内に手続きしないと加入できないので、早めの手続きをお願いします。

任意継続健康保険を選択する場合

最長2年間、継続できる制度ですが、保険料を期限までに滞納しなかった場合、資格喪失になりますのでご注意ください。銀行の口座振替などを利用して納め忘れを防ぐことができます。

また、この健康保険の場合、原則として2年間、保険料は変わりません。退職して1年目は任意継続したほうが安くても、2年目以降は国民健康保険の方が安くなるケースがあります。例えば、1年目の所得が少ない場合です。次のように、国民健康保険に切り替えるのがいいと思います。

2年目以降、国民健康保険に切り替える場合

その年度の国民健康保険の保険料は、前年の所得金額をもとに計算されます。したがって、退職した年に低収入だった場合は、翌年の4月の保険料の切り替え時から保険料が安くなります。国民健康保険の方が安価になる可能性が高いです。

国民健康保険に切り替えたい場合は、任意継続健康保険の保険料を期日までに納めないことにより「任意継続被保険者資格喪失通知書」が送られ、実質的に切り替えることができます。任意継続健康保険は、国民健康保険に切り替えることが理由で、やめることができないからです。

1年目から国民健康保険を選択する場合

任意継続健康保険と違い、国民健康保険の保険料は、世帯ごとに世帯主が納めることになります。単身世帯の場合は、自分だけの保険料のため、任意継続と国民健康保険の保険料の比較がしやすいと思います。

国民健康保険の保険料は、所得割(前年の所得に応じて計算)、資産割(固定資産税額に応じて計算)、均等割(加入者1人あたり)、平等割(1世帯あたり)の最大4つを合計して算出されています。例を以下に示します。

国民健康保険の軽減制度を利用しよう

国の定める所得基準を下回る世帯については、保険料の均等割・平等割の一部が減額されています。リタイア後は所得が減るのでこの制度を利用しましょう。

例えば、単身世帯の場合、給与収入が98万円以下であれば、給与所得が33万円以下となり、7割減額されることになります。

軽減率は以下のとおりです。

  • 7割減額:前年中の所得が33万円以下の世帯
  • 5割減額:前年中の所得が33万円+(27.5万円×加入者数)以下の世帯
  • 2割減額:前年中の所得が33万円+(50万円×加入者数)以下の世帯

なお、世帯の所得要件については、国民健康保険に加入していない世帯主の所得も含みます。

 まとめ

  • 退職後の健康保険は 、任意継続健康保険か国民健康保険のうち、保険料の安価な方を選ぶ。(担当窓口で正確な保険料を計算してもらうのがよい。)
  • 退職後、低収入の場合、2年目からは、国民健康保険の保険料の方が安価になることが多い。
  • 国民健康保険では、保険料の軽減制度により最大7割、減額される。